SOCIAL ENERGYをご契約いただいている応援者の皆さま、こんにちは!インターンの服部です。
「百聞は一見に如かず」を合言葉に、全国津々浦々SOCIAL ENERGYローカルパートナーの現場を訪ね歩き、取り組みの手触りをお届けしていくシリーズ“ローカルパートナー訪問記”。今回伺ったのは【お魚大好き電気】を運営する「道の駅かまえBuri Laboratory」さんです。
自然豊かな大分県佐伯市で、海の幸を堪能!
道の駅かまえ Buri Laboratoryがあるのは大分県佐伯(さいき)市。佐伯市は大分県の南東端、宮崎との県境に位置し、九州最大の面積を誇るまちです。東部のリアス式海岸は大分県と愛媛県に挟まれる豊後水道に面し、内陸部に広がる祖母傾(そぼかたむき)山系はいずれも国定公園に指定されていて、山あり川あり海ありの自然豊かな地域です。
そんな佐伯市の南部にある穏やかな港町、蒲江。
蒲江漁港の隣に、帆の形の看板と波打つような屋根が特徴的な「道の駅かまえ Buri Laboratory」を見つけました。
お邪魔すると、出迎えてくれたのは駅長の早川光樹さん。早速、併設されているレストランでご自慢のブリとカンパチのお刺身を振る舞ってくれました。脂が乗っていて歯ごたえもあり、とても美味しかったです!
目にも贅沢な海鮮丼も絶品!
腹ごしらえを終え、道の駅の施設内を案内してもらいました。レストランの外にある大きな生簀から直接新鮮な魚を購入できるそうです。
直売所には、魚介類やその加工品はもちろん、佐伯市名産のしいたけやカボスを使った商品など様々な品物が並びます。
店の外にある生簀も見せていただきました。早川さんがネットを引き上げると...
立派で活きのいいブリやカンパチが!
近くに生簀があるから、レストランでは新鮮で美味しい魚が食べられるんですね。
一通り案内してもらったところで道の駅に戻り、早川さんご自身や道の駅のお話を詳しく伺いました。
偶然?必然?道の駅の駅長になるまで
服部:早川さんは新卒で道の駅の駅長になられたんですよね?
早川さん:そうです。2019年に佐伯に移住してこの道の駅の駅長になりました。今思えば、来て早々に「ブリを推していこう!」なんてとんでもない決断をしたなと思います笑。
服部:元々ブリが有名な地域だとは思うんですが、道の駅としても「Buri Laboratory」としてブリに特化していこうとなったのは、早川さんが来てからなんですか?
早川さん:はい、せっかくこだわってつくっているブリの良さが伝わらないのはもったいない!という想いから推し始めました。佐伯は全国トップクラスの養殖ブリ生産地なんですが、ブランドブリを生産している方たちのお話を聞くと、それぞれがすごくこだわりと熱意を持って養殖されていることが伝わってくるんですよね。でもそれが切り身になってスーパーに並ぶとわからなくなってしまう。
緋扇貝(ヒオウギガイ)やヒラメなど、他の有名な魚介類をゴリ押ししようかという案もあったんですが、目玉にするなら誰もが食べたことのある大衆魚のブリがいいということになりました。ある養殖業者さんからは「ブリだけでいこうなんてやめた方がいいよ」と止められたりしましたが、「皆さんが生産しているのはこんなに素晴らしいものなんだから自信を持って」と熱弁して説得し、ブリを推していくことに決まりました。
服部:早川さんのブリへの熱い想いが伝わってきますね。道の駅の駅長をやろうと思ったのは何がきっかけなんですか?
早川さん:大学4年生の夏頃に佐伯にフィールドワークに来ていたんですが、おばあちゃんの家で朝ご飯を食べていたら、大分合同新聞の「道の駅3駅の指定管理者を公募します」という記事がたまたま目に留まったんですよね。
服部:偶然だったんですね?!
早川さん:そうなんです。出身は神奈川なんですが、父の実家が佐伯で小さい頃から蒲江の方にも遊びに来ていました。大学3~4年生の頃は長期休みのたびにこっちに来ていたんですけど、そのタイミングでたまたまその記事を見つけて。
服部:もともと佐伯で仕事を探していたんですか?
早川さん:佐伯で働くのもいいなというくらいの気持ちでしたね。神奈川の魚屋さんでやっていたバイトが楽しくて、魚や海に関わる仕事をしたいとは思っていました。
佐伯に来たら、魚はすごく美味しいのに水産業関係は課題が多かったんですよね。美味しい魚や自分の好きなこのまちもいずれなくなってしまうかもしれない、大学卒業後にそのまま神奈川に就職してこの現状を放っておいたら後悔するかもしれない、と考えたりもしていました。
佐伯でやるなら観光の仕事かなと思っていたんですが、知り合いもいないので、とりあえず市役所の観光課に「佐伯市で仕事がしたいんですが誰か紹介してもらえませんか」とアポなしでいきなり相談に行ったんですよね笑。そこでブリの加工業者さんや、緋扇貝の生産者さんなどを紹介してもらったりもして、色々模索していましたね。
服部:行動力がすごいですね!もともと魚が好きだったんですか?
早川さん:魚屋さんでのバイトは高校時代からしていたんですが、実は魚が好きで始めたわけではなくて、バイトに落ちまくった中でたまたま通ったのが魚屋さんだったんです。部活でアメフトをやっていたこともあって肉と白ご飯で食べる機会の方が多かったのですが、魚屋さんで働くうちに魚の美味しさに気づきました。魚屋さんのバイトだけなぜか長続きしたこともあって、自分は魚が好きなんだなと思いましたね。
海外に魚を売る仕事に興味を持ったこともありましたが、自分がやりたいのは目の前のお客さんに魚を売ることだと思い、そんな中で道の駅の公募があったんです。魚を食べるのも売るのもすごく好きなので、飲食も小売りもできる道の駅はいいなと。地域にとって大事な場所である道の駅を立て直すこともとても意義があることだなと思い、夢がどんどん広がっていきましたね。
服部:迷いはなかったんですか?
早川さん:ありました。30歳くらいまで普通に働いて、社会経験を積んでから佐伯に来るという選択肢もあるかなと思ったんですが、佐伯市が廃れていってしまう方が早いんじゃないかと思って。経験を積んでから来ても何もなかったら意味がないですし、小さい頃から遊びに来ていたマリンカルチャーセンターの閉館などのきっかけもあって、今あるものがなくならないうちに、できることをやりたいなと思って決断しました。
それから、大学で経営や起業を扱うゼミに入っていたことも大きかったですね。ゼミの先生に公募の話をしたら「経験として事業計画書を書いてみるのもいいんじゃない」と言われ、調査をしながら書いていくうちにだんだんと気持ちが入って本気になっていきましたね。
服部:市役所の人たちも、早川さんの熱量と希望に懸けたい思いがあったのかもしれませんね。
早川さん:2019年4月からオープンで移住したのが1月の頭だったので、準備期間の3ヶ月はドタバタでした。スタッフさんも自分以外は前の道の駅からの引き継ぎで、突然22歳の青年が来て皆さん不安だったと思うんですが、本当に暖かく迎えてくれて。当時はずっとワクワクしていました。何でも来いという感じで、現実があまり見えていなかったからこそ突っ走れたんだと思います笑。
服部:自分の想いをピュアに、どう実現していこうかと考えられるのは強いですよね。これからの展開について何か考えていらっしゃることはありますか?
早川さん:Buri Laboratoryを「ブリといったらここ」という店にしていきたいですね。この店を起点にブリをもっと広めていって、ここに足を運んでもらい、ここから買ってもらう。蒲江の養殖ブリをより広く知ってもらうことでこの地域を盛り上げていけたらと思っています。
実は最近運営を始めたキャンプ場と、道の駅とで食材の連携をしていこうとしています。回転が速い道の駅のレストランとは違って、キャンプ場ではゆっくりと時間を過ごしながら、魚介などの食材をより楽しんでもらいたいですね。
服部:海外の話も少し出ましたが、日本だけではなくて世界を見ていたりするんですか?
早川さん:ブリのワールドツアーをやりたいですね。ブリを背負って海外に行き、ポップアップのレストランを開いてブリ料理を振る舞いたいです。ブリは日本固有の魚なので、世界中の人にブリ本来の美味しさを伝えていきたいです。魚を食べるという日本の文化自体が好きだし、大事にしていきたいなと思いますね。
魚について語る早川さんはキラキラしていて、本当に魚が大好きなんだなということが伝わってきました。そして大好きな魚で蒲江を盛り上げていくんだという、地域への熱い想いと使命感も感じました。
そんな早川さんや蒲江の水産業を応援できるのが、お魚大好き電気です。電気の切り替えだけではなく、ぜひ美味しいブリを食べに蒲江に足を運んでみてくださいね!
最後に、蒲江港から船で10分の屋形島滞在中の様子をご紹介します。道の駅で蒲江の魚介を堪能し、屋形島で豊かな自然に囲まれながらゆったりとした時間を過ごす。まさに蒲江を大満喫できた訪問となりました。
「ローカルパートナー訪問記」は今後もSOCIAL ENERGYの中の人が運営者の元を訪れ、各ローカルパートナーの活動の手触り感をお届けしていきます。
道の駅かまえBuri Laboratory:https://buri.fish/index.php
高平キャンプ場:http://saiki-kankou.com/outdoor/takahirapark/